今日は、『ボロ儲け天国』という話をします。
前回は、『昔の裏ビデオは1万円で、今の裏ビデオは無料』
つまり会社は、昔よりもっともっと良いものを提供してるのに、
昔のような値段では売れないよって話をしました。
「じゃあ会田さん、会社って、効率化をがんばればがんばるほど、
儲からなくなっていくの?」
「はい、そうです。商品が『コモディティ(どこにでもあるもの)』
になっていくからです」
裏ビデオ屋さんの例で行くと、ビデオテープからDVDに
変わったことで、アナログからデジタルコピーになり、
ダビングがすごくカンタンになりました。
ここに目をつけた経営者は、DVDコピー機を買って、
裏ビデオを大量生産して、ボロ儲けしました。
そのうち、いろんな会社がDVDコピー機を買います。
まだまだおいしいです。裏ビデオ天国です。ウハウハです。
しかし一般のパソコンにDVDコピーするドライブが
くっついてくるような時代になってくると、DVDコピーは
当たり前になります。そして裏ビデオの価格は急降下です。
つまり資本主義経済において、『商品の価値』というのは
『時間とともに下がっていくディスティニー』ということです。
その一方で、『下がらない価値』というものがあります。
たとえば『手打ちそば』です。
少し思い浮かべてください。
子供のころの手打ちそばと、今の手打ちそばを比べて
値段変わりましたか?
そんなに変わりませんよね。
おそばをパンパンパンパン打つのに、今も昔も変わらず
かなりの手間と労力がかかることをみんなが認めているからです。
労働力は、『変わらない価値』なのです。
「なあんだ、やっぱりおれたちが会社にとっての『要』。
おれたちが働いてやんなきゃ、会社だって
どうにもならないんじゃないか」
しかし、それでも会社は機械化を進めます。
そして機械が労働者を駆逐します。
こんな、たわけたこと、愚かなことってあるんでしょうか。
というわけで次回は、『全業務機械化中毒』というお話をします。
楽しみにしていてください。