今日は、『やればやるほど報われない成果主義』という話をします。
前回、資本主義の成熟が進む中、会社は、終身雇用を前提としている
正社員を増やすと、毎月決まったコストを払わないといけないので、
正社員は増やさず、非正規雇用を増やそうとしてます。
そしてついに、非正規雇用4割時代がはじまってます、という話をしました。
そういった背景を受けて、今日は会社の『成果主義』の話をしたいと思います。
資本論を書いたマルクスさんもこのやり方を『資本家の搾取をより強めるやり方』
と警告してるので、私も真剣にお話します。
風俗嬢の話です。
風俗嬢が求人情報誌を見て、『保証有』のお店を見かけるとメリットを感じます。
なぜなら、風俗嬢の勤務は成果主義で、『男性客1人あたりの接客でいくら』
という給料の支払われ方ですが、保証有だと、お客さんが少なくても
保証金額分はもらえるからです。
たとえば、保証3万円。
お店は男性客から12000円もらいます。
接客した風俗嬢に支払う分の相場は6000円です(取り半)。
男性客が5人来たら、12000円×5人−人件費3万円=お店の利益30000円。
お店はきちんと利益を確保したうえで、風俗嬢に3万円の人件費を払えるのです。
男性客が4人来たら、12000円×4人−人件費3万円=お店の利益18000円。
まだお店は黒字です。
男性客が3人来たら、12000円×3人−人件費3万円=お店の利益6000円。
ギリギリ黒字です。
じゃあ、保証がない場合。
お店がヒマで、お客さんが3人しか来ませんでした。
すると風俗嬢に払う人件費は、6000円×3人=18000円、です。
でもお店の儲けは、6000円×3人=18000円、です。
ギリギリどころか、お店はかなり大丈夫になりますね。
だから会社は『成果主義』にしたがるのです。
成果主義というと、『やればやるほど報われる』と言われます。
しかし『カゼをひいたら報われない』という意味でもあります。
また、1日8個パソコンを作ったら、1日分の給料もらえてたのが、
「みんな手慣れてきたね。じゃあ、明日からパソコン10個作ってね」
と言われたら、逆らえないのです。
ゲームのルールを勝手に変えられる。
こうなると、『やればやるほど報われない』制度になります。
もう一度いいます。
成果主義とは、『資本家の搾取をより強めるやり方』です。
導入されたら、いよいよヤバいと思ってください。
それでは次回はその対策、『戦え!!戦うんだよ!!』をお話します。
楽しみにしててください。