今回は、心理テクニックの話です。
『テクニック』と聞くと、うれしいですか?
私は長年、コンピュータ業界にいたので、
テクニックの話もできるのですが、ふだんは、
本質的なことやネイチャーなことを考えてるので、
なかなかスイッチが入らないのです。
なので、エクササイズだと思って話すことにします。
高級レストランのウエイターをやって
チップを荒稼ぎする4ステップです。
ステップ1:
『支払い金額の合計が高いほど、
チップの額があがる』という原則を理解します。
そのためにねらう客は、『団体客』中心です。
ステップ2:
お客さんのひとりが注文すると(たいてい女性)、
前かがみになって、でも団体客みんなに聞こえるように
「今晩は、その料理はいつもほどよくないと思いますよ。
その代わり、○○や△△をオススメします」
と言います。
○○や△△は、注文した料理より
100円くらい安い料理を言います。
これによって、客は感謝し、チップをはずむ確率が
上がります。
と同時に、今レストランで何がおいしいか
知っている人ということで、彼は『権威者』になります。
さらに、店にとっては不利益な少し安い商品を
すすめることで、客の信頼を得ることにも成功します。
ステップ3:
注文を終えるとすぐに、
「承知しました。それから、お客様のお食事に合う
銘柄のワインをおすすめさせていただくか、あるいは、
こちらで選ばせていただいてもよろしいでしょうか」
と言います。
そして何本かのすばらしい(そして値段もすばらしい)
銘柄を答えます。
ステップ2で得た『信頼』を、すぐに『換金』するのです。
ステップ4:
食後は、パンケーキのアイスクリームのせや
チョコレートムースの話を次々とします。
仕事してた男性が雑誌のグラビアビキニを見ていると、
急にムラムラしてくるように、
人はデザートの話を聞くと、デザートの注文を
したくなるのです。
しかも複数のデザートの話を聞くことで、
「1つを分け合って注文しよう」と思ってたカップルも
「2つ注文して食べあいっこしよう」となり、
客単価が上がるのです。
彼が使っているのは、たった2つのテクニック、
『返報性』と『権威』だけです。
これだけで、ふつうでは考えられないほどの
たくさんのチップを懐に入れているのです。
巷には、たくさんのノウハウが出回ってますが、
彼のように、『これ』と決めたテクニックだけを
何度も使って『スキル』まで熟練させると、
満足のいく結果を手にすることができます。